命の気まぐれと掟

 

大自然に暮らす野生動物たちから離れ、

文字を発明し、文明を発展させ、社会を築き上げた人類は、

心のメカニズムを飛躍的に進化させた。

 

その心を動かす原動力は肉体に宿る命であり、

それはとても傷つきやすく、

迷いやすく、複雑な情調を抱きやすい。

 

限りある命は感覚的な体験を通じて、

自身の悩みを生み出す一方、

自身の悩みを解消しようと苦悶する。

 

追い詰められた命が、生きる意味を求めて哲学を追求し、

その先人たちの思想を、絶え間なく誕生する個々の命が発展させ、

人類の心はすべての束縛から解き放たれ始める。