近年、科学や情報技術が急速に発展し、社会システムの分業化も進んで多種多様な法律が生まれると、法律の仕組みを乱用する醜人(生命の破滅に向かう人間)が現れ始めました。彼らは自分たちが係わる事業ばかりに利益誘導をし、不正に財産をため込むので、貨幣の流通に不具合が生じて社会経済は衰退に向かう。
そして、民衆の不満が高まると、法律制度に狙いを定めて、自分たちに都合のよい規則を定めたり、行政手続きに関与したり、検察機関に圧力を加えて法解釈を変えたりして「法の精神」を汚してゆく。これは日本国憲法の前文に唱えられたすべての国民の為の国家システムとは言えません。
【日本国憲法前文の抜粋】
...そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令および詔勅を排除する。...
不健全な法制度の下、醜人たちに都合が良い価値観を押しつけられることで、民衆は自らの心に生じる良心のとがめに従うわけでなく、国家のルールに頼れるわけでもありません。よって、自分の立ち位置をしっかりさせないと、やがて、生きる上での正しい行動の根拠を見失って不毛の地をさまよう思想難民になってしまう恐れがあります。
そもそも人々が抱く価値観とは何でしょうか? それは「いかなる物事に価値を認めるか?」という個人的な見方・考え方・判断基準です。私たちは「大切なものは何か?」を理解することで、己を駆り立てる力の源泉とすることができます。 それがなければ、社会環境のめまぐるしい変化に翻弄されてしまいます。
今世紀に入りインターネットが急速に普及すると、人々は互いに情報交換することで、マスメディアの影響から離れ始めました。すると、お金や地位のために働くという20世紀型の考え方から、自分が本当にやりたいことや好きなこと、自分だけの人生を送りたい、という人が増えました。
現代社会は、大きな歴史の変わり目にあり、この時代において私たちに重要なのは、物事の本質的な意味を悟り、自分らしいライフスタイルを作ることです。
私たちは自分の手で生きる意味を見つける必要があり、働くことの意味、愛することの意味、勉強することの意味などを自分の立場から探し出してみる。自らの心に響く声(*マインド機能の訴え)をうまく意思決定に取り入れた方が、人生は納得できる方向に進むはずです。
*心のマインド機能については「技術の要旨」にて詳しくご説明します。