長い歴史を通じて、私たち人類は法の仕組みを整えるため、また、独裁者による暴走を防いで人々の多様性を受け入れるため、民主主義という国家を生んで発展させてきました。しかし、地球におけるそれぞれの国家の体制をエスプリ画(中心と6つのマインド機能)の視点でみると、私たち人類の心は、まだまだ誕生したばかりであり、自己意識の芽生えがない状態と言えます。
人類史に登場するさまざまな主義・思想は、人間の心を反映して生まれたものなので、6つのマインド機能に集約してみることができます。ここでは、エスプリ画の基本形(6つのマインド機能)に照らして、世界の思想を振り分けてみましょう。
直感機能(悟りたい):神権政治、原始宗教 【権力は啓示】
精神機能(貢献したい):民主主義、平和主義 【権力は人々】
思考機能(学びたい):資本主義、エリート主義 【権力は優秀な知識】
肉体機能(生きたい):軍国主義、全体主義 【権力は武力】
愛情機能(愛したい):君主主義、世襲資本主義 【権力は血筋】
集団機能(働きたい):共産主義、権威主義 【権力は労働者・権威】
これらの主義・思想は、さまざまな国家や共同体を創り、また、国全体をまとめるための役割を果たしてきました。
ここで注目すべきは、19世紀、ドイツの哲学者カール・マルクスが、『資本論』を著し、資本主義社会を資本家と労働者の対立としてとらえた上で、労働階級の勝利によって無階級な社会を実現すべしと主張したことです。
この政治理論の影響により、1917年にソビエト連邦社会主義共和国が誕生したのが皮切りに、中国、北朝鮮、キューバなどの共産主義国家(集団機能)が次々と誕生し、共産主義国家はアメリカをリーダーとする資本主義国家(思考機能)と対峙しました。
その後、冷戦を経て1991年にソ連が崩壊。マルクス主義は急速に影響力を失うものの、労働階級を中心とした共産主義国家が人類史に登場することで、6つのマインド機能が主導する国家体制がすべて具現化されました。
人間の心のメカニズムを考えた場合、この集団機能が主導する国家システムの登場は必然と言えます。心の集団機能(共産主義)が誘導する国家が現れ、心の思考機能(資本主義)と対立して、不安定な世界情勢を招きましたが、結果として世界の国家体制が6つの軸(根源的な形)を整え終えました。
人類の歴史を振り返ると、人々は一つのマインド機能が主導する国家体制を作り上げ、その後、別のマインド機能が旧体制を破壊する形で、新たな国家体制を作ってきた、と考えてみることができます。たとえば、日本の場合、直感機能(神権政治)⇒愛情機能(君主主義)⇒肉体機能(軍国主義)⇒精神機能(民主主義)、という流れがありました。
今の世界には、一つのマインド機能が主導する6タイプの国家が異なる思想解釈を展開している一方、6つのマインド機能を中心統合するような政治機構(自己意識の働き)はまだ存在しておりません。国連があるものの、それは国際平和と安全の維持を目的としており、すべての国家(マインド機能)を統率する役割は有していない。
また、国連の安保理では、五つの常任理事国(米英仏中ロ)が拒否権を持っていて、一国でも反対すれば決議案は葬り去られてしまうため、すべての加盟国を拘束する決定をすることが極めてむずかしい。
よって、私たちは多様な価値観(各国のマインド機能)をまとめ上げる世界の仕組みを作るため、地球に中心統合的な組織(世界政府)を誕生させる必要があります。